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[02.訪問記録] 20060114[3] Yuka Sasahara Gallery

田中偉一郎個展「クラシック・カラオケ 2006」を拝覧する。

螺旋階段を3階まで上がってギャラリーに入ると、展示スペースにはカラオケセットが居座っていた。
カラオケセットは春の声、くるみ割り人形の行進曲、ウィリアムテル序曲の3曲を黙々と流し続けている。
採点機能などという邪道の産物はもとより持ち合わせない。
マイクが2本あるので、歌うことは許されているが、その場合は春の声が一番難易度が低いので、まずこれを体得し、次いで相方連行の上、くるみ割り人形のデュエットに進まれることをお奨めする。
ウィリアムテル序曲は音節数が尋常でなく多いため、熟練を要する。

歌詞はすべて田中偉一郎氏の手によるもので、1曲10分で考えたか三日三晩呻吟したか、にわかには判別しがたい適当さで構成されており、背景画像は隅々まで安っぽさと嘘臭さに満ちている。
展示スペースの白い壁に踊るミラーボールの光が更なる白々しさを演出し、まことにカラオケとは本来かくあるべしと、感興を新たにすること必須にあらざる催しであった。

Date : 2007/08/30(Thu) PM 01:50

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